生まれたばかりの赤ちゃんが家にやってきた。
腕に抱いたときどういう感じがするでしょう?
温かい?柔らかい?
そして、いい匂い!
「この時期の赤ちゃんってとってもいい匂いがするんだよね」と、
しばしばいわれるのですが、科学的に証明されたという話は聞いたことがありませんでした。
それでも、これが本当だとすれば、ストレスフルな現代社会で、生理学的、内分泌学的、心理学的にポジティブなフェロモン作用をもつ新生児の頭の匂いや母親の羊水の匂いを使って、ストレを減らすことができると考えました。
ポイントは、この匂いが花の匂いや果物の匂いのように単に良い匂いがするというだけでなく、我々ホモ・サピエンスという種が進化の過程で獲得してきたフェロモン情報処理システムに直接働きかけるだろうという点です。
言葉をもたない多くの動物種は、コミュニケーションツールとしてフェロモンの匂いを使っています(学術的にフェロモンという言葉は異性を引きつけるセックスフェロモンだけをさすものではありません)。
同種他個体に影響を及ぼす物質という定義にのっとって、フェロモンには受容する相手に対して、自分をアピールする、自分の意図を実現する、自分が持つ情報を共有するといった働きが想定されます。
生まれたばかりの人間の赤ちゃんは言葉で自分の意志を伝えることができませんが、母親の世話がなければ生きていけません。
さてどうしたことか。
一方で、お産を乗り切っても、赤ちゃんの世話は待ったなしです。そんな母親にしてみれば、わが子といえども生まれたばかりはシワシワだしギャーギャー泣かれるとハラハラします。
それでも世話したくなるのはなぜでしょう?腕に抱いて授乳する時、優しい気持ちになって世話をする気持ちになる。こればどうしたことか。
赤ちゃんとお母さんがたがいに、どうしたことかと思っている、この謎を解くカギが、母子間交流に用いられるフェロモンの匂いの作用です。
この作用を、お母さんや赤ちゃんにフィードパックすることで周産期の不安やストレスが解消できるのではないか、さらにその作用が、ホモ・サピエンス共通に働くのであれば、あらゆる世代、あらゆる働き手にも、ポジティブな癒しの効果をもたらし、生きがい働きがいを高めることができるのではないかと考えました。
この研究の成果を身近な製品やサービスとしてより多くの皆様と共有、共感するために、センツフェス株式会社を設立しました。
センツフェス株式会社 代表取締役 尾﨑 まみこ